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髙井章光弁護士が共同執筆をした「コロナ禍の事業再生研究会の活動と成果」と題する論考が銀行法務21No880に掲載されました。

2022年2月1日

2020年春から始まった新型コロナウイルス禍によって、企業は売上げの大幅減少、将来の事業計画の見通し不透明な状況において、政策的な融資と租税公課の延納措置によって現在なんとか対応している状況にあります。これらの支援策によって、倒産件数はコロナ禍前よりも減少している状況ですが、今後、これらの支援策が打ち切られ、または支援を受けた過大な融資金の返済、納税猶予を受けた多額の租税公課の納付の計画を立てることができない状況において、事業再生・倒産の局面に至る危険性が生じています。2020年4月に、事業再生・倒産実務家によって、新型コロナウイルス禍に対して事業再生・倒産手続においてどのように今後対応していくべきか検討が始まり、髙井章光弁護士も参加しております。この成果は、銀行法務21No862、863においても報告されていますが、今回、その後の研究成果を銀行法務21No880にて発表致しました。なお、同じ内容について、2021年10月30日に「倒産実務交流会」にて報告しております。
報告内容は、新型コロナウイルス禍による事業再生局面における立法提言として、①準則型私的整理手続における多数決制の導入(2021年2月の産業競争力強化法改正に結びつきました)、②再建型法的整理への移行の円滑化、③株式会社の会社分割、株式会社以外の法人の事業譲渡に関する代替許可の問題、④DIPファイナンス活性化の必要性について広く検討を行った結果を報告しております。引き続き、立法提言について研究を継続しております。

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